4種類のバンドカラーを比較
この4種類の形のえりを実際に作ってみました。
前から見たところ
正面から見ると、黄色と水色はスタンドカラーで衿が身頃から上に立ち上がっています。青は衿が全く立ち上がらず平面的に身頃とつながっています。
ピンクはその中間です。
横から見たところ
上に立ち上がっている黄色、水色とピンクは首の角度に沿っています。
青は身頃の延長で平面的です。
後ろから見たところ
垂直に立ち上がっている黄色。水色、ピンクは首に沿って立ち上がっています。青は全く立ち上がらず身頃の延長です。
斜め上から見たところ
斜め上から見ると黄色と水色の違いがはっきりわかります。
人の首は寸胴な円柱ではなく、首のつけ根よりも上の方が細くなっています。
黄色の型紙は衿の上端と下端が同じ太さのため上端へいくほど衿と首の隙間があきます。
水色は衿の下端よりも上端の方が細く、首のラインに沿います。
ピンクも首のラインに沿い、さらに前身頃の端(前中心)に行くほど身頃から立ち上がらず平面的になります。
青はまったく立ち上がりません。
平面に置いたところ
身頃を広げて置き上から見てみました。
直線的な型紙の黄色は、身頃から垂直に衿が立ち上がります。
水色は角度が少しだけゆるやかになります。ピンクは後ろ身頃側は水色と同じように立ち上がり、前身頃の端近くは身頃の延長のように平面的になります。
青はすっかり平らになります。
結論
4種類のバンドカラーを作ってみてわかったことは……
直線的にするとえりは立ち上がる。
曲線を強くするとえりが身頃の延長のように平面的になる。
…ということです。
直線のえりは、えりぐり(襟と身頃がつながる線)の長さと、えりの上端の長さが同じということです。曲線が強くなるほど、えりぐりの長さよりえりの上端の長さの方が短くなっていくので、首の形に添っていきます。
いろんなバンドカラー
今回は首にほとんどゆるみがない寸法でサンプルを作りました。
衿の高さ、襟ぐりの寸法を変えるとまた印象が変わると思います。
身頃側の襟ぐりの広さや深さといった形の違いでもまた衿の感じはちがってくるはずです。
みなさんはどんな形のバンドカラーが好きですか?
私は、スタンドカラーのシャツを自分の首のサイズや形に合わせて、つかずはなれずの絶妙なゆるみで作ってみたいなと思いました。
身頃の延長のバンドカラー(青いえり)は、えりなしのブラウスに近い感覚で襟ぐりが広めのデザインによく合いそうです。
直線的な型紙のスタンドカラー(黄色いえり)は抜き衿っぽくなります。デザインによってはいいかもしれないと思いました。
バンドカラーの型紙を描く方法
私は本などを参考に、PCのAdobe Illustratorを使って服の型紙を描いています。正式な描き方ではないのと、人にお教えできるほど方法を確立していないので、手順だけ簡単に紹介します。いつか描き方をわかりやすく説明できるぐらいになれたらなと思っています。
文化式の原型を描き、自分の身体のサイズに合ったシャツの型紙を作ります。私は『誌上・パターン塾 トップ編』という本を参考にしています。本では手書きで型紙を描く方法が紹介されていますが、えんぴつと定規の代わりにパソコンソフトを使って描いています。
前身頃、後ろ身頃のえりぐりの形と寸法、そしてえり(バンドカラー)の型紙を調整していきます。
- 身頃のえりぐりの開き具合と形を決めて作図をします。
- 身頃の襟ぐりの寸法を測ります。(上の図では前身頃と後身頃の赤い線の長さを足して2を掛ける)
- えりの上端の位置と長さ(えりの高さと太さ)を決めます。
- えりぐりの長さとえりの上端の長さをもとに、えりの型紙を作ります。(上の図ではえりの赤い線がえりぐりの長さ、青い線がえりの上端の長さ)
- 身頃から立ち上げたいところは直線的に。身頃と平面的につなげたいところは、身頃のえりぐりの曲線とえりの下端の曲線が同じになるように作図します。
前開きのシャツの場合は前端の重なりの分を寸法に足すのを忘れないようにします。(私は足すのを忘れて前身頃の寸法が足りず、サンプル作成時に後ろ身頃中心と襟の後ろ中心で詰める羽目になりました…)
くり返しになりますが、私のやり方は全然正式な方法ではなく自分が使える道具で試行錯誤しながら、きれいで実用的な服を楽しく作れる方法を探そうとしている途中です。
えりの型紙づくりはむずかしいです。服が完成してから「思ったのとちがう…」ってこともしばしば。
センスのいい型紙がたくさん売られていますし、無料で配布されていることもあります。サイズが合うならそういった型紙を使うのが賢明かもしれません。
でも私はどうしても自分で型紙を描きたいんです。だからしょうがない……
作っては補正して次のシャツをまた作る…ということをくり返して理想のシャツに近づいていくのかなと思います。趣味の服作りなので、そんな感じでゆるく楽しんでいます。
この記事がバンドカラーの服を作る際少しでも何かのヒントになればうれしいです。
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