洋裁のプロでもなんでもなく、家庭用ミシンと手縫いだけで趣味の服作りを楽しんでいる私が、今回初めてウールのコート作りに挑戦。材料費、や感想などを書きます。
コートを作る様子を収めた動画もぜひご覧ください。
コートを自分で作りたい理由
自分でコートを作れたらいいな…と以前から思っていました。
なぜって…
コートって高いんですもの!
ここ数年、ちょっといいなと思うコートはびっくりするほど高価です。
5万、10万あたりまえって感じ…
今年はますます値上がりしているような気もします。
でもコートを自作するには問題が…
自分で作れたら、材料費と手間ひま、時間をかければ、気に入った素材、気に入ったデザインのコートが手に入ります。
ただし問題は……
コートは作るのが難しい!
……ですよね。
安いコートもあるにはある
この前ユニクロの店舗で1万円ほどでリバー仕立てのコートが売られているのを見ました。
GUではスタンダードなテーラードカラーのロングコートが8000円くらいで売られていました。
自分でコートを作る材料費も決して安くはないので、費用節約だけを考るとしたら、作らずにこういったお店でコートを買うのがいいのかも…
何をかくそう私はコートづくり初挑戦。
コート用の厚い生地をミシンで縫うこと自体初めてだったりします。
でもやってみることにしました。
やったことがないからこそ、こわいもの知らずです。
材料費もかかる
6000円弱でいい感じの生地が購入できました。
ウール80%(カシミヤ5%)、ナイロン20%のメルトンビーバーという生地です。
フェルトのように縮絨した厚手の生地は風を通さずあたたか。安いコート地は見た目がボサボサだったり、手触りがゴワゴワしたりするものもあります。この生地は見た目も手触りも文句なしです。
6000円で良質な生地のコートが手に入る♪と喜んだのですが……
表地の他に、切り替え用のニット地、裏地、ボタンとそろえないといけないものが多く…
そして予想外だったのが、接着芯をたくさん使うこと。これもコート作り初挑戦で知ったことです。
全部で1万円くらいの材料費がかかりました。
さらに後でボタンホールを手縫いするために絹穴糸と穴あけポンチという道具も購入。
せっかく材料や道具を用意するのですから「失敗して着られない」という事態だけは絶対に避けたいと思いました。
作りやすい方法にこだわる
コートの作り方を本や動画でリサーチしました。
やっぱり難しそうです。
いきなりセットインスリーブのかっちりしたコートを作るのは無謀と思えました。
デザインを決める時も、仕立て方を決める時も、とにかく「作りやすい」「失敗しにくい」方法を選ぶことにしました。
服作りの過程で、どうしても失敗しやすいというか、腕前の未熟さが表れやすい箇所があります。
それは、そでつけ部分です。
シャツやワンピース、ジャケットなどを作ってきて、そでをつけることが一応できるようになりました。でも、きれいにつけるのはとても難しい。
形や縫い目にゆがみができたり、変なシワがよったり布がツレたりします。
街を歩いているときや電車の中で、ふと他の方が着ている服が目に入り「あ、手作り服だな」とわかることがあります。そでつけ部分の完成度でそれがわかることが多い気がします。
たくさん服を縫って上達していくしかないんですが……
初めて作るコートで失敗したくないなぁ…と。
ケープ型のコートを作ることに
というわけで、そでつけなしの形にしました。
ケープ、ポンチョのようなそでと身頃が一体化している形にします。
初心者でも作れるコートといったらケープコートです!
布を肩から体にふわっとかけてボタンで留めるだけのようなシンプルなつくり。簡単でいて裾広がりのエレガントな形になるんですからありがたい。
これならコートづくり初めてでも挑戦しやすそうですよね。
ケープ型からデザインをアレンジ
ケープコートは袖がありません。腕を出す部分を安定させるためにできればそで口は欲しい。ドルマンスリーブに近い形にして、幅広の袖口をつけることにします。
そで口とえりは、ニット地で切り替えることにしました。
ポケットもほしい。これも初めて作る箱ポケットにしました。
作り方を練習してみると、両玉縁フラップポケットよりもだいぶ手順も少なく作りやすい……
それでいてパッチポケットよりも本格的に見えてコートにはぴったり。気に入りました。
制作
コートづくりの様子は動画をご覧ください。
一つ一つの工程を、とにかくていねいにすることを心がけました。
仕事終わりの夜や休日の細切れ時間に制作を進めて、約1か月かかりました。
完成
そして完成したショートコートがこちらです。
普通に着て歩けそうなコートができました。
こういうカジュアルなパンツにも合うし、ワイドパンツやスカートにも合います。
もともとケープの形からのデザインで、身頃とそでがゆったりしているので、中に着るものを選びません。
横から見た時裾広がりのシルエット。
幅広の袖口がベルスリーブのように見えるのも気に入っています。
結論。
コートは家庭用ミシンと手縫いだけで作れます!
本格的なかっちりしたものは難しいと思いますが、そのうち挑戦してみたいです。
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