自作服のいいところ【なぜわざわざ作るの?】

洋裁ブログ

デザインも機能性もすぐれた服がたくさん売られているのになぜわざわざ手間ひまをかけて服を自作するのか。

今日は私が服を作る理由について語ってみたいと思います。

自作服はコスパがいい?

服を自分で作っているというと、お金がなくて既製服を買えないから安い布を買って自分で服を縫っているのかな?と思う人がいるかもしれません。

これは半分当たりで、半分外れです。

自作服は案外高くつく

服を自作すると、安くてシンプルな服が売られているお店で買うよりも材料費が高くつくことが多いです。

ユニクロやGUの服を思い浮かべてみると……

流行を取り入れたシンプルで機能的なデザインの服がとても安く売られています。生地も縫製もしっかりしていて、数回着たらダメになるなんていうこともありません。

大量生産されている服に、自作服はコスパでとてもかないません。

自分で作るより安くてデザインがよく縫製もちゃんとしている服が売られています。洋裁を始めたばかりできれいに縫うのが難しい場合は特に。

服代の節約だけを考えるとしたら、自分で作るよりも、シンプルな服がリーズナブルな値段で売られているお店で買った方がいいと思います。

↓服を作る費用をまとめた記事もご覧ください。

でも素材やデザイン、サイズ等にこだわりがある場合は話がちがってきます。

服の値段はピンからキリまで。素材やデザインにこだわった服はとても値段が高いことが多いですよね。

質の良いリネンの服を着たいと思ったとき、好きなプリント布の服を着たいと思ったとき…

お店で、素敵だなと思った服の値段を見てびっくり。買うのを諦めた経験がある人も多いはず。

自分で服を作れたら、予算をおさえて憧れの布を身にまとうことができるかもしれません。これは自作服の大きな魅力です。

同じ綿の布でも表情はさまざま

また、市販の服では自分の体形に合う服が見つからないとき…

店やネットでどんなに探しても納得のいく服が見つかるかどうかわかりません。オーダー服は高価です。

自分で服を作れたら、布と副資材の材料費だけで細部の寸法まで自分の体形や好みに合わせた服を手に入れることができます。

私はあまりデザインや布にこだわりがある方ではないのですが、肌触りのいい布で自分の体形に合った服を着る心地よさを知ってからは、好みのデザインの服が売られているのを見ると「好きなあの布で自分で作れないかな」と考えるようになりました。

人と被らない

店舗が多く人気があるメーカーの服は人とかぶってしまったり、どこでいくらで買った服かが見る人に知られてしまったりすることがあります。

「絶対に人とかぶらない」「世界でたった一枚の服」これも自作服のいいところだと思います。

服を自作するのは難しすぎる?

服を作るのは簡単ではありません。

でも私が子供のころ、母が足踏みミシンで洋裁をしていた頃と比べたら、今は服作りのための情報が比べ物にならないほど手に入れやすくなっています。

洋裁学校に通わなくても、本を大量に買わなくても、ネットで調べて服を作ることは可能です。

縫い代つきの型紙を使って、ロータリーカッターで裁断し、ミシンの定規を頼りに縫う方法は、服作りの手順を大幅に簡略化してくれました。

服作りの道具や材料、布もネットで買えます。安い生地から、高価な布まで、自宅にいながらにして選び放題です。

家庭用ミシンが便利に

服作りの敷居が下がった理由の一つにミシンの進化があると思います。

今の家庭用ミシンって本当に賢くて親切なんです。

ロックミシンを持っていなくても、裁ち目かがりで布端の始末がきれいに簡単にできます。

家庭用ミシンで裁ち目かがりとまつり縫いをした縫い目
裁ち目かがりやまつり縫い

ボタンホールもセットしてスイッチを押すだけでキレイに縫ってくれます。

家庭用ミシンで縫ったボタンホール

縫い目もきれいで、一見すると手作りには見えない服を素人でも作れるんです。

昔の洋裁のイメージよりずっとラクに、きれいに服を作れるようになっていると知ったことが、自分で服を作ろうと思った理由の一つです。

もちろん、簡単な服である程度の完成度でいいならば、ということです。

洋裁を本格的に学んだり、職業として修業されたりした方のように美しい縫製で本格的な服作りをするのは今ももちろん難しいことだろうと思います。

趣味の服作りで目指すもの

ドレスを作りたいとか売ってないような個性的な服を作って着たいとか、人によって洋裁をする目的はいろいろあると思います。

私が服作りで目指しているのは次のようなことです。

  • 好みのデザイン(シンプルな服が好き)
  • 自分の体形に合わせて
  • ちょっといい布で

手作りと見破られないような完成度を目指します。

ステキと褒められたりするような服じゃなくていいんです。

どこかのお店で買ったごく普通の服のように見えて、実はちょっといい布を使って自分の体形に合わせて丁寧に作った、世界でたった一枚の特別な服、というのがいいです。

洋裁の腕を磨いてそういう服を作れるようになりたいです。

服を作るのが楽しい

なぜ服を自作するのか、それもお店で安く売られているような普通の服をわざわざ手作りするのか。

安く大量生産された服もいいんですが、自分の体形に本当に合っていて、好みのデザインで、好きな布で…となると、オーダーするか自分で作るしかないというのがその理由です。

そしてもう一つ、最大の理由があります。

それは、服作りは楽しい!ということ。

新しい服を作るたびにそれまで知らなかったことを知り、上達していく実感があります。

考えて、工夫して、夢中で手を動かすうちに、一枚の布が服に変わっていきます。

そのおもしろさにすっかり魅了されています。

しかもできあがるのは服という実用品です。生活必需品。

自作の服を着て出かけたり、家でリラックスしたり。自分で作った服が、暮らしの一部になります。人に会う時の自分の印象を左右するものを自分がこだわって作れるってすごいことです。

服を自作すると、心が満たされます。

たとえ将来1人ぼっちになっても、こうして服作りさえ続けていられたら生きていけるんじゃないか、とか考えたりもします。心の支え、生きがいになる。

大げさですかね。笑

これからも服作りの様子を記録するほか、家庭用ミシンで普通の服を作るために役に立ちそうなことを発信していきますので、よろしければ見に来てくださいね。

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